2026年9月、事業承継・M&A補助金の16次公募要領が公表されました。10月2日から11月6日17時までの受付予定で、M&A時の専門家費用、PMI、廃業・再チャレンジなどが支援対象として示されています。
会社を売りたい側にとって重要なのは、「補助金があるらしい」だけで動かないことです。補助金は、会社そのものの買取価格を上げる制度ではありません。専門家費用、調査、廃業関連費用など、M&Aの進め方に関わる費用の一部を支援する制度です。
売り手が関係しやすい枠
16次公募では、事業承継促進枠、専門家活用枠、PMI推進枠、廃業・再チャレンジ枠の4枠が案内されています。休眠会社や小規模法人の売却相談で関係しやすいのは、主に専門家活用枠と廃業・再チャレンジ枠です。
専門家活用枠は、M&Aに関わる専門家費用がテーマです。公式サイトでは、DDや仲介手数料などが説明されています。売却を検討する側にとっては、専門家に相談する前に、どの費用が補助対象になり得るのか、どのタイミングで契約・発注すべきなのかを確認する必要があります。
廃業・再チャレンジ枠は、M&Aに伴って既存事業を廃業し、新たな取組に進む場合の費用がテーマです。解体費、在庫廃棄費、廃業支援費などが例示されています。会社を売る、解散する、事業だけ整理する、どの選択肢を取るかで確認すべき費用は変わります。
申請前に準備したいこと
補助金は、思いついた当日にすぐ使えるものではありません。中小企業庁の案内では、電子申請はJグランツのみで、GビズIDプライムアカウントの取得が必要とされています。アカウント取得には時間がかかるため、締切直前に知っても間に合わない可能性があります。
会社売却を検討している売り手側は、まず次の情報を整理しておくと判断しやすくなります。
- 売却したい会社の法人種別と設立年月
- 現在の稼働状況
- 決算・申告の対応状況
- 借入、未払い、税金滞納の有無
- 法人口座や許認可の有無
- 専門家に相談したい内容
- 売却できない場合に廃業も検討するか
- 補助金の申請主体になれるか
これらは、会社売却をLINE相談する前に準備しておきたい情報とも重なります。補助金の前に、まず会社の状態を説明できるようにしておくことが大切です。
補助金ありきで売却判断をしない
補助金があると聞くと、費用負担が軽くなるように感じます。しかし、会社売却では、補助対象になるかどうかより先に、そもそも売却できる会社なのか、債務や未申告の問題がないか、買い手が引き継げる状態かを確認する必要があります。
たとえば、休眠会社を整理したい場合、売却と解散のどちらが現実的かは会社の状態によります。会社解散と会社売却の違いを確認し、売却できる可能性があるなら査定、難しければ廃業・再チャレンジの費用確認という順番で考えると整理しやすくなります。
簡易査定で入口を作る
このHPの簡易査定は、補助金申請の可否を判定するものではありません。ただ、会社の状態を整理する入口として使えます。設立年数、法人種別、決算状況、債務、法人口座の有無を確認することで、売却相談と補助金検討のどちらを先に進めるべきか判断しやすくなります。
補助金は制度の条件が細かく、申請期限や対象経費も公募ごとに変わります。この記事の内容だけで判断せず、必ず公式サイトの公募要領と専門家の確認をあわせて進めてください。