使っていない株式会社に法務局から通知が届くと、「会社はもうなくなったのか」「売却を考えていても手続きが必要なのか」と迷うかもしれません。通知を受け取った時点で、直ちに会社が消滅するわけではありません。ただし、放置してよい通知でもありません。

法務省は2026年10月15日、令和8年度の休眠会社等の整理作業について案内しました。必要な登記申請や、まだ事業を廃止していない旨の届出の期限は2026年12月15日です。この記事では、株式会社の所有者が期限対応と今後の整理方針を検討する順番を説明します。制度情報は2026年10月18日時点です。

対象は「売上の有無」ではなく最後の登記からの期間

今回の整理作業では、10月15日時点で最後の登記から12年を経過した株式会社が対象です。一般社団法人・一般財団法人は5年が基準です。詳しい条件は法務省の2026年度の案内で確認できます。

ここでいう休眠会社は、単に営業を休んでいる会社という意味とは異なります。売上が続いていても登記を長くしていなければ確認が必要です。逆に、設立が古いという理由だけで対象になるとも限りません。設立年月だけを見ず、登記事項証明書等で最後の登記の年月日を調べましょう。

通知を受け取ったら最初にする3つの確認

1.通知と登記の内容を照合する

通知を保管し、会社名、本店所在地、管轄登記所を確認します。続いて現在の登記事項証明書等を用意し、役員や所在地が実態と合っているか、最後の登記がいつかを整理します。通知に心当たりがなくても、書類を捨てずに確認することが大切です。

2.現在の事業の状態を言葉にする

営業を続けているのか、一時的に止めて再開を検討しているのか、既に事業を廃止したのかを整理します。「売却したい」という希望だけで、まだ事業を廃止していない旨の届出が適切かどうかを自己判断しないでください。現在の実態と今後の意向を管轄法務局へ伝え、必要に応じて司法書士にも確認します。

3.必要な申請と担当者を決める

役員変更や本店移転など、未対応の登記がないかを確認します。管轄法務局へ相談するときは、「通知を受け取った」「最後の登記は何年何月」「現在の事業はこの状態」と伝えると、確認事項を具体化しやすくなります。相談した日、準備する書類、対応する人、提出予定日を一枚のメモに残しましょう。

売却相談をしていても期限は別に管理する

会社を売る予定があっても、相談や査定を依頼しただけでは登記申請や届出をしたことにはなりません。買い手との面談や条件交渉に時間がかかることを考え、期限への対応を売却成立まで先送りしないことが重要です。

実務では、二つの予定を並べて管理すると整理できます。一つは法務局への確認と必要な手続き、もう一つは会社の今後を決めるための査定や費用比較です。たとえば「今週は登記と通知を確認、来週は必要書類を準備」と決め、売却条件が未定でも進められる作業から着手します。これは期限管理の例であり、個別の申請方法を指定するものではありません。

当サイトの簡易査定は、設立年数や決算・債務状況から買取可能性を確認する入口です。みなし解散の対象判定や登記手続きの代行を行う診断ではありません。無料相談では、通常の会社情報に加えて「通知の有無」「最後の登記年月日」「法務局への確認状況」を伝えると、前提を共有しやすくなります。

通知が届かない場合と、届出だけで終える場合の注意点

法務省は、通知書が届かなくても対象会社が必要な手続きをしなければ、みなし解散となる旨を案内しています。古い所在地に郵便が届いている可能性もあるため、「何も来ていないから大丈夫」とは判断できません。

また、まだ事業を廃止していない旨を届け出ても、必要な登記をしなければ翌年度も整理作業の対象になります。届出によって過去の登記懈怠が解消するわけでもなく、過料の問題は残ります。今回は何を提出するかだけでなく、登記を実態に合わせるための作業まで相談しておきましょう。

期限を過ぎた場合も、まず現在の登記を確認する

法務省の案内では、対象会社が期限までに必要な対応をしない場合、12月16日付で解散したものとみなされます。既にみなし解散の登記がある場合は、通常の状態の会社と同じ前提で売却を進めず、現在の登記と今後の手続きを法務局や司法書士に確認してください。

通知をきっかけに会社の整理を考えるなら、登記への対応を確認したうえで、維持する、売却を検討する、解散・清算を進める選択肢を比べましょう。売却可能性の一般的な条件は休眠会社は売却できる?、整理方法の比較は会社解散と会社売却の違いで確認できます。

参照した公式情報

いずれも2026年10月18日に確認しました。個別の提出先・必要書類・手続きは、会社の本店所在地を管轄する法務局で確認してください。